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遺言の知識重要ポイント

遺言を取り消す方法

 遺言は、遺言書を作成したときに成立しますが、その効力は、相続が開始される(遺言者が死亡する)まで発生しません。遺言は誰の同意もなく、死亡するまでいつでも取り消すことができます。

【遺言を取り消す5つの方法】

遺言の破棄による方法

 遺言を破ったり、焼いたりして、遺言書そのものを破棄する方法です。ただし公正証書遺言の場合には、原本が公証人役場に保管されています。手元の正本や謄本だけを破棄しても、撤回したことにはなりません。

遺言の方式による方法

 新たな遺言書で「この日前の遺言は取り消す」と明確に取り消すことです。すでに公正証書遺言をしているときは、破棄だけでは取り消すことができませんので、この方式が一番確実でしょう。

遺言内容と抵触する生前行為による方法

 例えば、遺言書に「○○所在の土地は甲に遺贈する」と記載されていても、遺言者がこの土地を、生前に他の者に贈与してしまえば、取り消したことになります。甲の承諾も必要ありません。

遺贈目的物の破棄による方法

 例えば「○○所在の建物を乙に遺贈する」と遺言していても、遺言者がその建物を取り壊してしまったときは、その遺言は取り消されたことになります。これも乙の承諾は必要ありません

抵触する遺言による方法  前に書いた遺言の内容に抵触する内容の遺言を後で書くことによって取り消すことができます。例えば、前に書いた遺言で「○○所在の土地を甲に遺贈する」としていたのに、後で書いた遺言で「○○所在の土地を乙に遺贈する」とした場合、特別に前の遺言を取り消すと明示しなくても、自動的に前の遺言は取り消されたことになります。このように、内容が抵触しているときは、前に書いた遺言は後に書いた遺言で取り消されるため、日付の新しいことが大変重要になります。遺言の方式として、日付の記載が絶対の要件になっているのはこのためです。
 

【全遺言を取り消し新たに遺言を作った記載例】


遺言書
 私は平成十五年の元旦にあたり改めて下の通り遺言する。したがって、平成十四年の元旦に作成した遺言は効力を失うものとする。

  壱.  下記の不動産は妻の良子に相続させる。
     福井県福井市東町三丁目○番○号
      宅地参壱弐u



  弐・  遺言執行者として、福井県福井市東町三丁目一番一号
      弁護士西村秀喜を指定する。

          平成十五年一月一日
          福井県福井市東町七丁目○番○号
               中田勝則   印

遺言書の重要な役割

 相続の財産を残す人の意志が第一順位で、遺言相続が理想です。この遺言書がない場合に、第二順位として相続人の間の協議が必要とされます。協議が利害が対立して整わないとき、法定相続人や法定相続分が法律によって決められています。
 しかし近年、相続のトラブルの防止は、財産をもつ者の義務であり、そして財産を自由にかつ適切に分けることは、財産を持つ者の権利でもあるという考え方が一般的になりつつあります。
 これは、土地などの財産価値の増加や、兄弟姉妹の平等意識、家という観念・共同体意識が希薄になったことなどから、相続をめぐる紛争が急増してきたことも、大きく影響をしています。
 遺言の目的は、相続財産をめぐる骨肉の争いを未然に防ぐことです。財産の所有者が、相続財産の分配を具体的に決めておけば、無用の紛争を防止できます。
 兄弟などの親族間の争いは、他人同士の争いよりも深刻化し、醜くなりがちです。これらの紛争の大部分が、被相続人の最終意思がはっきりしていなかったために起きています。

遺言書が必ず必要な人

 民法は、被相続人の子はすべて平等の共同相続人としています。しかし、現実は、それぞれの家庭の特殊な事情や、被相続人の立場など、複雑な問題を含んでいる場合が多いようです。遺言をつくることは、法律の及ばないきめの細かい相続を可能にします。

家業を存続させたい場合

 自分が社長をしている同族会社を、長男に後を継がせたい場合、他の兄弟で株や、会社の敷地が分散すると事業が成り立たなくなります。遺言で分割を細かく指定しておけば安心です。

相続財産が住んでいる家と土地しかない場合

 住んでいる家と土地しか財産がない人が亡くなり、その財産が妻と兄弟の共有になると、売却で、妻が住み慣れた土地を離れざるをえないような心配もでてきます。 遺言によって配偶者の取り分を多くするとか、親の面倒をみている長男の相続分を多く与えたりして、その後の生活の安定を図れます。

病気で結婚せずにいる子供がいる場合

 遺言によって、その子の相続分を多くし、将来の生活費とする事ができる。

子供がいない場合

 配偶者に全財産を与えるという遺言を残しておかなければ、故人の親や兄弟姉妹が相続人として加わってくることになります。亡夫に兄弟がいると、4分の1はその兄弟が相続することになります。しかし「全財産を妻○○に与える」という遺言さえあれば、兄弟姉妹は遺留分がありませんから、すべての財産は、妻のものとなります。

後妻をもらった人に先妻の子供がいる場合

 後妻の籍をいれて、一ヶ月後に夫が亡くなっても、妻は配偶者として、2分の1の相続をする権利があります。これでは、先妻の子供は納得いかないでしょう。
 このようなとき、当面は子供に財産が多くいくように遺言し、後妻と何十年も連れ添った後、自分が納得行く時に、後妻に多くの財産がいくように書き換えればいいでしょう

先妻の子と後妻の子がいる場合

 どちらの子も、同等の相続分を持ちます。しかし、後妻の亡くなる時点が違うだけで、2人の子供の取り分は大きく異なります。
 たとえば、夫が死亡した時点での相続分は、後妻が2分の1で、先妻の子と後妻の子は4分の1ずつですが、後妻がその後亡くなった場合には、先妻の子は相続分がありません。先妻の子は後妻と養子縁組をしてないかぎり、先妻の子には後妻の財産の相続権がありません。遺言で2人の相続分を決めておくべきです。

離婚訴訟中の妻に2分の1もの相続をさせたくない場合

 目下協議離婚の交渉中であっても、離婚成立前に夫が亡くなれば、離婚係争中の妻が、法定相続分として2分の1(他に相続人がいなければ全部)の相続ができることになります。遺言で「妻には相続させない」旨の記載があれば、遺留分だけの相続になります。

事実上、離縁状態になっている養子がいる場合

 養子にした子と仲が悪くなり、養親の家から出てしまって、事実上離縁状態になっている場合。戸籍上離縁の手続きが終了していなければ、この養子は相続人になります。この場合も早急に離縁手続きをするとと、遺言で財産をその者以外の者へ与える旨を書いておくべきです。

内縁の妻がいる場合

 籍を入れてない内縁関係の場合は、その内縁の妻には全く相続権がありません。自他ともに認める妻という存在でありながら、何らかの事情で入籍してない場合。入籍して婚姻関係を明確化するか、遺言を残しておかなければ、夫が亡くなったら内縁の妻は経済的に困窮することになります。

先に死んだ子供の嫁の世話になっている場合

 面倒を見ていた子供が亡くなった後、ずっとその嫁の世話になっている。他の兄弟や姉妹はあまり面倒をみない、という場合。親が死亡すると、この嫁は一銭の財産も受け取れません。早急に、この嫁と養子縁組するか、遺言を書いておくべきです。

世話になった人に財産を残したい場合

 相続人がいない、いてもあまり付き合いがない場合、事実上の養子のようにお世話をしてくれる人とか、身内のように看護してくれた人に、財産を譲りたいと考えることでしょう。この場合も遺言が役に立ちます。遺言さえあれば、法定相続人でない者にも財産を与えることができます。

素行の悪い相続人がいる場合

 相続人であっても、常日頃素行が悪かったり、経済的負担ばかりかけ、不親切で親の面倒を見ようともしなかったり、ほとんど疎遠な状態になっている相続人がいる場合。あまり財産を残したくないと思うでしょう。遺言でならその者の相続分を少なくすることもできます。

遺言できない人

満15歳未満の者

 未成年者でも、親が子を代理して、法律行為を行うことができます。しかし、遺言だけは、その人の最終的な意志を実現させるという性質上、両親でも代理はできません。15歳未満ではその財産を処分する能力がないからといわれているからです。

遺言する能力のない者

 精神病、強度のノイローゼ、酩酊状態などの時に行った遺言は、遺言能力がなかったとされ、遺言は無効とされます。

遺言できる内容

 遺言は基本的になにを書いてもかまいません。しかし内容によっては法的拘束力を持たず、相続人を拘束することもできません。民法では遺言書の方式を厳格に定めると同時に、遺言できる内容を限定列挙しています。
 
【民法で定める遺言できる内容】

事   項

内    容

財産処分に
関する事項
遺贈

遺言で財産を無償であげること
負担付き遺贈もできる

寄付行為

財団法人を設立すること

相続に関する
事項
相続分の指定、
指定の委託

法定相続分を変更すること

遺産分割方法の指定、
指定の委託

具体的に財産配分を指定すること

遺産分割の禁止

5年間は遺産の分割を禁止することができる

相続人相互の
担保責任の指定

売主の担保責任と同じ

遺留分減殺方法の指定

民法で決められた減殺方法以外の指定ができる

相続人の廃除、
廃除の取り消し

著しい非行歴などのある推定相続人から相続人の資格を奪うこと

身分に関する
事項
認知

自分の子であると認めること

後見人の指定、
後見監督人の指定

未成年者などの後見人などを指定すること

その他 遺言執行者の指定、
指定の委託

遺言内容を実現してくれる遺言執行者を指定すること

祭祀承継者の指定

先祖の供養をし、お墓などを守る者を指定すること

 

【相続人に対する教訓・訓示等】

 生前に相続人にいえなかったこと、相続人に依頼すること、家訓その他自分の希望など、死後気になることを書き記すことです。ただし、上記以外は民法の拘束力を持ちません。

 

 

 

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